温度と湿度を高精度で一定に保った環境を恒温恒湿ルームといいます。
水分の含有量で強度等が変化する紙やフイルムなどの素材は、恒温恒湿ルームでシーズニングをして一定条件で試験をする環境が必要です。
また温度、湿度によって伸縮する素材を精密加工する際には、より高品質な製造環境として恒温恒湿ルームが必要とされています。
恒温恒湿ルームとは
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恒温恒湿ルームは、循環空気と冷却した水を十分に接触させ、加湿された低温の飽和に近い湿り空気を発生させます。
それを再加熱し、目的の温度と相対湿度を調整します。
自然の物性原理である飽和空気での絶対湿度の制御なので、シンプルで安定性に絶大な信頼があります。
エクセルでは、この原理を利用した露点飽和散水システムを取り入れた恒温恒湿ルームをご提供しております。
露点飽和散水システムの特性
- 圧倒的に高い省エネルギー性
- ランニングコストを画期的に抑えることが可能。精密空調では、一般的な均衡直膨システム比べ、約40%〜50%の省エネ効果が得られます。(当社比)それは、加湿器不要・低稼働率の冷凍機・再熱エネルギーが小さく過冷却がない、などによって実現されています。
- メンテナンスの苦労から解放されます
- 沸騰させて加湿するタイプは、水の不純物が固形化し、メンテナンスが大変です。露点飽和散水システムは加湿器不要のためメンテナンス作業から解放されます。水道水をそのままご使用できるので、純水器・軟水器も不要です。
- 安定性の高い温湿度を実現
- 温湿度調整のために使用する水は、冷却媒体として比熱が大きいので、一度安定すると容易に乱れることはありません。PID制御された再熱ヒーターが低コストで非常に高い温湿度の安定性を実現させます。
- 高い耐久性能
- 主要部品は、耐久性の高いステンレス製を使用し、消耗部品を交換することで高精度空調をベストの状態で末永くお使いいただけます。水冷却を媒体にしているため、負荷が安定し冷凍機の寿命も長くなります。
- ランニングコストが安い
- 穏やかな稼動とシンプルな構造のため、装置の負担が小さく故障を少なくすることができます。月に1回程度の水交換と、数年に1回、充填材の交換をする程度で充分機能を保持することが可能です。
- 冷却媒体として水を使用するため水温5℃以下は不可
- 冷却の媒体として水を使用するため、凍結を考慮し水温5℃以下にはできません。そのため、低温や低湿の発生が難しいので、温湿度範囲は標準状態付近に限られます。同様に大きな発熱や大量の局所排気には弱いことがあげられます。
静電気と湿度の関係
- 静電気とは
- 静電気電荷の空間的移動がわずかであって、それによる磁界の効果が電界の効果に比べて無視できるような電気を言う。(静電気学会編:オーム社) つまり、物質内に滞留してほとんど動かない電気の事をさしている。
- 摩擦によって帯電する理由
- ①異なる物質の表面を強くこすり合わせる。
②すると、物質を構成する分子が「触れ合う」距離に近づく。また同時に、表面の温度も上がる。
③この結果、触れ合う分子の中の電子が移動し、静電気が起こると考えられている。 - 帯電序列
- 帯電電圧と相対湿度の関係
- 静電気の滞留と湿度の関係
- 加湿による帯電抑制について
①湿度が高くなると摩擦する物質の表面にある吸着水が静電気を大気に速やかに放出し滞留を抑制します。
②物質表面にある吸着水がこすり合わされた時に、その水分も摩擦のエネルギーを受けて、マイナスの電気を帯びる小さな水分と、プラスの電気を帯びた水分とにより、電気的に中性条件が保たれるとの考え方もあります。